【解説】巨人・戸郷に異変?150キロ出ず10失点の大炎上 評論家は「重症」「追求した投手が陥りやすい」

 「広島12-3巨人」(11日、マツダスタジアム)

 巨人・戸郷が今季3度目の先発。四回途中10安打10失点とまさかの大炎上となり、悪夢の3戦連続のKOとった。

 最速は149キロ。150キロ超えをマークしてきた右腕が一度も150キロが出ず、本来の球威を欠いた。変化球の制球にも苦しみ、3つの四球を与えた。

 プロワーストの10失点。エース戸郷に何があったのか。巨人OBのデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「明らかに真っすぐがきてない。もう3戦続いたので2軍調整になると思うが、重症だな」と語った。

 戸郷はこの登板に向けた調整で田中将大から助言を受け、直球の質改善へヒントを得たことを明かしていた。だが、状態は簡単に戻らなかった。

 巨人で投手コーチ経験もある関本氏は「カットボールを曲げよう、スライダーを曲げようと思って、ひねりを加えようとしているうちに、真っすぐに影響が出る。ツーシーム、シュートでも同じ。本当に微妙だが、気づかないうちに肘のポイントが変わり、横の動きが増して真っすぐがいかなくなる。これは幅を広げるために追求した投手が陥りやすい。こうした投手は何人も見てきた」と、解説する。

 昨季、ノーヒットノーランを達成した5月28日の阪神戦では最速152キロを計測。戸郷自身は「出力的には良かった。腕の振りも良かった」と振り返ったが、本来の球威からすると物足りなさは否めない。

 関本氏は、メンタル面の影響も指摘。「菅野が抜けて、エースとしての責任感が増したと思う。やらないといけないと背負い過ぎたかもしれないな。いずれにしろ、投球フォーム、メンタル、体力面もひとつずつ見直してファームでやり直すしかない」とした。

 阿部監督はぎりぎりまで戸郷を続投させたが、猛攻止まらず、106球となったところで交代。マウンドで戸郷の肩をたたき、捕手の甲斐にも笑みを浮かべながら肩を組んで、交代させた。

 10失点でも代えなかったことに、関本氏は「次の回で打席が回るからこの回までというのはあったとしても、阿部監督はファームの監督時代から厳しい面はあるから」と指揮官の思いも推察。巨人にとってエースの絶不調は大誤算だが、「修正には少し時間もかかるとは思うが、交流戦前で良かった。まだ4月という面をプラスに考えて、じっくりやるしかない」と復調に期待した。

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