波紋を呼んだ中日戦のファウル判定 元審判員も見解「リクエスト制度の大幅な見直しが必要な時期に来ている」
元プロ野球審判員の坂井遼太郎氏が27日、自身のXを更新。同日、ヤクルト-中日で本塁打性の打球がファウルと判定されたことに見解をつづった。
坂井氏は「『リクエスト制度』の光と影」とのタイトルで「2018年から正式導入された『リクエスト制度』。実はスタート前、2017年オフに審判部はこう要望していました。『やるなら、設備と人員をしっかり整えてほしい!』」と投稿。続けて、「でも現実は…・コストの問題・人材確保の問題 この2つが大きな壁となり、放送局の映像を使い“現場の審判”が確認する今の形になりました その代わり、『判定結果にはチームは一切文句を言わない』この約束で制度が始まりました」と説明した。
現状と課題についても触れ、「多少のアップデート(最終決定方法など)はあったものの、当初から審判部が課題視していた『設備』『人員』面の改善は、今も進んでいません」と指摘した。
坂井氏は類似のケースとして、2018年6月22日「オリックス-ソフトバンク」にも言及。当時、坂井氏自身が一塁審判として「ファウル」と判定した打球が、リプレー検証により本塁打となり、試合後の再検証で「ファウル」が正しかったと誤審が認められたことに、当時の経緯や心境、その後の状況についても記述した。
坂井氏は当時から大きく変わっていない状況に、「コスト面などの大きな壁はあると思いますが、やはり当初から課題だった『設備』『人員』 『リクエスト制度』の大幅な見直しが必要な時期に来ていると強く思います」と、訴えた。
27日の同戦では八回、中日・川越が右翼ポール際へ本塁打性の打球を放ち、井上一樹監督がベンチを出てリクエストを要求。判定は覆らずにファウルとなったが、井上監督は納得いかず、審判のもとへ歩み寄って抗議した。本塁打となれば逆転弾。試合は1点差で中日が敗戦した。