大の里 万全5連勝!綱とり第一関門クリア 玉鷲を一気の寄り切り 史上最速の最高位へ「また明日から集中」
「大相撲夏場所・5日目」(15日、両国国技館)
綱とりに挑む大関大の里は玉鷲を寄り切って5連勝とした。横綱豊昇龍は豪ノ山を上手出し投げで下して連敗を止め、3勝目。大関琴桜は平戸海を引き落として白星を先行させた。関脇大栄翔は王鵬を突き出して5連勝。関脇霧島は小結若隆景の首投げに屈して2敗目を喫した。若隆景は4勝目。小結高安は4敗目を喫した。勝ちっ放しは大の里と大栄翔、平幕の伯桜鵬と錦木の4人となった。
第一関門に設定していた前半戦を難なく突破した。大の里が大関昇進後、初の初日から5連勝。「前半戦が大事だと思っていた」とうなずくと、すぐに「また明日から集中して頑張ります」と切り替えた。
40歳でも衰え知らずの鉄人・玉鷲との一番。強烈な右のど輪であごを浮かされたが、一歩も引かなかった。右を差してまわしを引き、左ものぞかせ、一気の寄り切り。八角理事長(元横綱北勝海)は「圧力があるから押されない。これが大の里の相撲」と称賛した。
身の引き締まる思いもあった。この日は同じ日体大出身の北勝富士(八角)が、引退を発表。自身が幼い頃から学生相撲を引っ張っていた存在で、目標にしてきた。大の里は「一度は対戦してみたかった」と寂しさをのぞかせつつ、「引退したのは悲しいですけど、自分も頑張らないといけない」。先輩に思いをはせながら、この日の土俵に立って白星につなげた。
6日目は過去4勝1敗の豪ノ山と対戦する。「序盤が良いときは結果も付いてくるし、逆に悪くて優勝したことはない。最初の5日間を大事にすれば流れで体も動いてくるし、星も伸びる」と場所前に語っていた大の里。支度部屋では「集中」の2文字を5度も繰り返し、慢心は1ミリもなさそうだ。師匠の稀勢の里(現二所ノ関親方)以来の和製横綱、史上最速の最高位へ、ここからさらにギアを上げていく。