橋本大輝2位で代表死守「一安心」5月上旬体調不良はインフルエンザだった
「体操・NHK杯」(18日、東京体育館)
世界選手権(10月、ジャカルタ)の代表選考を兼ねて男子2回目が行われた。21年東京五輪金メダルの橋本大輝(23)=日本生命・セントラルスポーツ=は、251・909点で2位。大会直前まで体調不良で練習を積めなかったが、個人総合の代表切符を死守した。全日本個人総合選手権(4月)の点数の半分を持ち点に、今大会2日間の合計点で争われた。
16日に行われた1回目で、転倒した床からスタート。終末技の後方屈伸2回宙返りなどをしっかり止めて、上々の滑り出しを見せた。続くあん馬は途中でぐらつくも懸命にこらえる。跳馬も着地で右足がラインを越える減点があったが、Eスコア(出来栄え点)で9・166を記録し、2位に踏みとどまった。
最後は世界一を取った鉄棒。離れ技を次々と成功させ、着地も最小限の小さな1歩。五輪金メダリストの意地を見せた。
「全く練習せずに大会を迎えたことはなかった。なかなか内容もよくなかったけど、とにかく2日間をやり切れたことはよかった。一安心」
気力で大会を乗り切った。3日に体調を崩し、その日の練習を早退。ゴールデンウイーク中ですぐに受診できず、数日後に医師からインフルエンザと診断された。薬も処方されたが体調はすぐに戻らず、10日間ほど発熱が継続。大会2日前の14日にようやく回復し、練習を再開できた。
感覚の違いもある中でNHK杯を戦い抜き、2位で代表切符を死守。世界選手権では3連覇を狙う。「一番はロサンゼルス五輪の個人総合で金メダルを取りたい。その間の世界選手権でも金を取りたい。今後は海外の試合に行くので、採点傾向を予想しながら世界選手権で良い演技ができるようにしたい」。パリ五輪は個人総合6位。東京五輪の王者が、世界一を奪い返しに行く。