豊田章男会長が支持 白鵬翔氏「相撲がオリンピックになるというのを夢見て」新会社 元照ノ富士との不仲説否定 退職会見

 大相撲で歴代最多45回の優勝を誇る元横綱、元宮城野親方の白鵬翔氏(40)が9日、日本相撲協会を退職し、都内で会見した。今後は「世界相撲プロジェクト」を掲げ、実業家として同構想を推進する新会社代表に転身することを明かした。既にトヨタ自動車の豊田章男会長(69)から支持を取り付け、アマチュア界から相撲への献身を誓った。

 テレビカメラ10台以上、報道陣約100人。白鵬氏は「相撲に愛され、相撲を愛した25年でした。新たな夢に向かって進み出すことをお伝えします」とあいさつした。会見の最後は「悔いは全くありません」とほほ笑んだ。

 新たな夢は「世界相撲グランドスラム」だ。2010年に発足した世界少年相撲大会「白鵬杯」のシニア版。「相撲は国家安全、五穀豊穣(ほうじょう)を祈念する神事。差別、偏見、争いごとを解消する希望と信じている」。その意義を強調した。

 9月にタイで開催予定の世界相撲選手権までに新会社を設立し、国際相撲連盟と接触する算段だ。親交の深いトヨタ自動車・豊田章男会長からは支援を取り付けた。白鵬氏は「世界のトヨタですから。うれしい気持ちでいっぱい」と喜んだ。

 会見には昨年4月に転籍した伊勢ケ浜部屋の前師匠、宮城野親方(元横綱旭富士)が同席。元横綱照ノ富士との不仲説について白鵬氏は「照ノ富士の下で嫌だ、というのは全くありません」と否定し「自分が置かれている状況を考えると、協会の中ではなく、外から相撲の発展に力を注ぐことがいいと決断した」と説明した。

 部屋の再興が見通せないことから今年3月に退職を決断。2日の協会発表では、最近は退職を前に弟子の指導に身が入っていない、との指摘があったが「心の揺れがあって…」と認めた。

 アマチュア相撲に関わろうとするだけに、協会との敵対は避けた。視線は世界へ。「弟子たちが横綱大関になるのを見たかったが、相撲が世界に広がっていけば、いずれ一緒になる。相撲がオリンピック(競技)になるというのを夢見て、一から努力していきたい」。大きな夢を掲げ、大相撲から大横綱白鵬が去った。

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