男子100m予選で波乱相次ぐ 絶好調・柳田がフライング失格、サニブラウンは強行出場も予選敗退 桐生、山縣らは準決勝へ

 「陸上・日本選手権」(4日、国立競技場)

 男子100メートル予選が行われたが、有力候補が落選となる波乱が相次いだ。

 サニブラウンが負傷を抱える中で優勝候補筆頭ともみられていた柳田大輝(東洋大)はまさかのフライング失格。6組で登場したが、スタートの号砲が鳴る前に、姿勢が崩れ、前のめりに倒れる形に。係員がレッドカードを提示。腰に手を当てたまま一礼し、無念の表情でトラックを後にした。柳田は今季5月のゴールデンGPで強豪海外勢を相手に優勝するなど好調だっただけに、まさかの結末にレース後は「なにもないっすよ。なにもしてないので。スタートすらできなかったので。ピストル鳴って頭の中が真っ白になった記憶がかすかにある。どこか冷静さを欠いてしまった」と涙した。「これで勝てなかったらもう自分は100メートルやらないほうがいいんじゃないかという練習をしてきた。良い意味でテンションが上がっていて、良い感じでスタートに立てたけど、それが裏目に出ちゃったのかな」と悔やんだ。世界選手権代表入りは流動的に。「立ち直れってすぐに言われても無理だと思う。今年のシーズンがどうなるかっわからなくなったけど、終わるわけではないので。引きずるかなとは思いますけど、いつかはちゃんと元気で走れるようにしたい」と、必死に前を向いた。

 前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(26)=東レ=は10秒45の7組4着で予選落ちに終わった。サニブラウンは前日会見で6月26日の練習でアクシデントがあり右股関節上部の骨の挫傷で全治3週間と診断されたことを告白。世界選手権の参加標準記録(10秒00)を突破しており、今大会で3位以内なら世界選手権代表に内定、決勝進出なら代表入りに大きく前進する状況に、「日本選手権に出場してやれることはやるという決断」と覚悟を明かしていた。スタート後、スピードに乗り切れず、なんとか食らいついていったが、3着争いからは遅れた。レース後は「痛みはあったが、できるだけのことをやって挑んだ。普通に痛みはあります。しっかりもっといい記録を出せたらよかったが、精いっぱいはやった。頑張っている姿を見せられたのはよかった」と振り返り、「やっぱりこういうアクシデントがあるのもスポーツの一部。まだチャンスはあるので選ばれた時に怪我を治して準備していかないといけない」と語った。

 参加標準を突破しており、世界ランキングなどにより代表入りの可能性を残している。

 元日本記録保持者の桐生祥秀(29)=日本生命=は10秒23の7組1着、日本記録保持者の山縣亮太(33)=セイコー=は10秒24の4組3着、東京五輪代表の小池祐貴(30)=住友電工=は10秒30で1組1着、多田修平(29)=住友電工=は10秒23で4組2着、で準決勝に進んだ。

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