C大阪・北野 惜別の2アシスト PK失敗も挽回し成長を証明 ザルツブルク移籍決定的「行ってきます」スピーチで涙
「明治安田J1、C大阪4-2清水」(1日、ヨドコウ桜スタジアム)
オーストリア1部・ザルツブルクへの移籍が決定的なC大阪のMF北野颯太(20)が国内ラストマッチで2アシストと奮闘。チームも4-2で清水を下し、惜別の勝利となった。
海外挑戦前最後の試合で、北野はその勇姿をサポーターの目に焼き付けた。主将の田中駿汰に頼み込み、試合では自身初のキャプテンマークを巻き、試合終了間際の後半49分まで出場。アカデミーから約10年育ってきたクラブへ、惜別の思いをプレーに込めた。
「最後は自分のゴールで勝たせたい」。絶好機は0-1の前半11分に訪れた。自ら獲得したPKのキッカーを志願。しかし、力の入った左へのシュートは相手GKのファインセーブに阻まれた。大チャンスをふいにし「きょうはアカン…」と下を向いた。
だが、失敗の後のプレーが北野の成長を証明していた。2-1の後半9分にピッチ中央から縦への鋭いパスで3点目をお膳立てすると、同25分にも二つ目のアシストを記録。心の内とは裏腹な前向きなプレーの数々に「満足はしてないけど、自分が成長したところかな」と胸を張った。
試合後に行われたセレモニーで涙ながらにスピーチ。桜色に染まったスタンドへ「行ってきます」と別れのあいさつを交わし、世界へ巣立っていった。
◆北野颯太(きたの・そうた)2004年8月13日、和歌山県有田市出身。小学4年からサッカーを始め、中高6年間はC大阪の下部組織に所属。22年2月にトップチーム昇格を果たすと、3月のルヴァン杯・鹿島戦でプロ入り初得点を記録。17歳201日での得点は南野拓実の18歳66日を超えるクラブ史上最年少得点だった。23年6月の神戸戦でJ1初得点。172センチ、60キロ。