阪神・村上12球団単独トップ7勝 球宴ファン投票1位浮上御礼星 「頌樹には申し訳ない」女房役が明かす役割

 「広島2-5阪神」(30日、マツダスタジアム)

 エースと呼ぶにふさわしい。阪神は村上頌樹投手(26)が7回を3安打7奪三振1失点と踏ん張り、開幕戦を含めて今季4度目となった広島・森下との投げ合いを制した。29日に「マイナビオールスターゲーム2025」のファン投票中間発表で先発部門1位に浮上。ファンの期待も高いリーグ屈指の右腕が、チームを今季最多タイの貯金8に導いた。

 迷いはない。サインに首を縦に振り、全身全霊を白球に込めた。村上が113球目で空振り三振を奪い、マウンドでほえる。これぞ虎のエース。「点は簡単に取られましたけど、そこから辛抱強く投げられたのが良かった」。背中も大きく見える。文句なしで両リーグトップ、昨季に並ぶ7勝目を手にした。

 二回1死から坂倉とモンテロに連続二塁打を浴びて、先制点を献上。でも崩れなかった。「取られた点は返ってこないので」。表情も全く変わらない。自分の仕事に徹して後続を抑えた。球数が100球を超えたのは七回。1死から坂倉に右前打を許し、17人ぶりの被安打。2点差と息も詰まる。ここでモンテロに変化球でバットに空を切らせる。佐々木にはフルカウントからの直球で封じ込めた。「丁寧にコースへ投げられた」と7回3安打1失点。繊細かつ、大胆に投げ進めた。

 がむしゃらに腕を振ったのが2年前。昨季は少し壁にぶつかった。年齢を重ねるごとに、立場も変わっていく。カード頭を任され、エースと呼ばれるからには信念がある。

 「チームのためにどれだけできるか。カード頭を任されるようになってからは、3連戦で考えるようになった。最低でも2勝1敗でいきたい。どれだけ自分が相手を崩すことができるか」

 女房役の坂本は「頌樹には申し訳ない」と残りの2戦を考えて、布石を打つこともあるという。その役割も理解して打たれた、抑えた、に一喜一憂はしない。「安打を打たれても、点を取られなければいい。次の日の大竹さんとか、中継ぎの人が投げやすくなるかもしれないので」。首位打者のファビアンとポイントゲッターの末包に仕事をさせなかったことが、次戦以降につながると信じている。

 森下とはすでに4度目の対決。藤川監督も「エース同士の投げ合いですから、よく頑張ってくれました」と評価した。球宴ファン投票では中間発表で堂々の1位。今や球界を代表する、大投手の一人だ。チームは連敗もせずに、今季最多タイの貯金8。「明日は大竹さんが勝ってくれると思うので、勢いよく3連勝して交流戦に臨みたいと思います」。これほどにまで華麗なバトンパスはない。

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